私の自転車遍歴(その4)
(前回までのあらすじ)
人生初めてのロードバイク購入で何の予備知識も無しに「フレームセットに各パーツを取り付けていく」などという暴挙に出たぴーちゃん。ホイールは?コンポーネントは?何を取り付ければいいか、お値段はおいくらなのかも分からず、担当店員さんを苦しめまくってようやく念願の1台を手に入れたのだった。
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ようやく念願の「自分のロードバイク」を手に入れた私は、店員Mさんを酷い目に合わせた事も忘れてウッキウキ♪でした。
1月23日(土)にYsロード池袋本館でMさんから完成車を受け取り、最後にギアのシフトの仕方など簡単なレクチャーや諸注意等を受けて、リドレー“ヘリウム”を自家用車のトランクに積み込んで自宅へ持ち帰りました。
今では故障でもしない限り池袋から車に乗せて自転車を持ち帰るなんてしませんが、この時はまだ自走(自分で自転車を漕いで移動すること)で池袋から埼玉県の自宅までロードバイクを持ち帰るなんて考えもつかない、途方もないことでした。
翌24日(日)、妹に誘われて早速サイクリングに出発!
ロードバイクの先輩である妹がセッティングしてくれた目的地は荒川サイクリングロードにある「みはらし茶屋(現「キッチンとれたて」)。
初心者なのでこれくらいの距離なら丁度いいだろうとの判断でした。自宅から8㎞の場所なので、往復16㎞。
ロードバイクを買ったばかりの私の門出を祝福してくれるかのようなスッキリ晴れ渡った日曜日のことでした。
自分だけのロードバイクを手に入れて幸せいっぱいの私は、妹に道を教えてもらいながらどんどん漕いでいきました。初めてのサイクリング、本当に楽しかったなー。
ロードバイクの先輩である妹は初心者の私に乗り方のコツを色々教えてくれながら、時々休憩の確認をしながら、ゆっくり漕いでくれました。ありがとう、妹よ!
みはらし茶屋さんでお茶しただけで、この日は自宅に戻りました。
片道たったの8㎞なのに、途中何度か休憩して脚を休めなければならなかった事、すごく遠くまで来てしまったと感じ、帰れるか不安だった事を覚えています。
初心者あるある!【見慣れない場所まで来てしまうとどこにいるか分からず、残り体力の心配もあって、帰れなくなるのではと不安になる】
今では全くへっちゃらになってしまいましたが、自転車を始めて間もない頃は常に不安とのせめぎ合いを抱えながらのサイクリングでした。
それから1、2週間に1回くらいのペースでロードバイクに乗るようになったはいいのですが。
妹が付いていないと自分で出かける事ができない!なぜなら道が分からないから!
「迷子になって残り体力0になったらどうしよう?」と心配で心配で、ついつい妹に甘えて荒川サイクリングロードを案内させていました。
そして何回めかのサイクリングで、遂に私は音を上げてしまいます。カフェVIAに向かう途中の10数㎞漕いだ辺りで具合が悪くなってしまったんですねー。
普段全く運動していないとは言え、運動経験0の妹と違い私は学生時代にバレーボール部に所属し、そこそこ筋肉も付いています。だから妹は、私の方が妹より体力があるからそろそろ少し遠出しても大丈夫だろうと判断したのだそうです。
ところが全くそうではなかった。自転車を漕ぎ続けるには慣れが必要だったのです。
アニメ「ろんぐらいだぁす!」第1話を見ていて身につまされました。ロードバイク経験者にとってはたいした距離を走っていないつもりでも、初心者には途方もない距離なんです。葵ちゃんもそこんとこをもうちょっと考えてほしかった。往復40㎞ってアンタ…鬼か。
私も亜美ちゃん同様「ハンガーノック(エネルギー切れ)」になっていたんだと思います。気分不快を感じ、体を動かすのが億劫になり、もうこれ以上進むのは無理と判断し引き返しました。
この時は初心者の私を遠い場所まで連れてきた妹に恨み言など言ってしまいましたが、妹も困ったと思います。ワガママばかり言って、迷惑かけてごめんね妹よ。初心者の私が楽しめるように、気を使って考えてくれていたのにね。
この一件で自転車での遠出が怖くなってしまい、それからしばらくロードバイクに乗らない日々が続きました。
「もう自転車になんて乗りたくない!」と私が思ったか……思わなかったんですねコレが。
辛い目に合いはしましたが、それでも自転車をやめようとは思いませんでした。
リドレーがね、呼ぶんですよ。「乗ろうよ」って。
やっぱり初心者にとって自転車は見た目が大事!軽さが大事!オシャレで可愛い自転車だと、一緒に走りたくなるんです。
自宅に置いてあるリドレーが目に入る度に「もう少し頑張ってみようかな」っていう気持ちが徐々に膨らんできて、気づいたらまたサイクリングに出かけていました。
はじめは恐る恐る、でもだんだん自信がついてきて、欲が出てきて、もう少しだけ先まで進んでみようと思い、少しずつ距離を伸ばし…いつしか妹のサポートを離れ、自分一人で自転車に乗って知らない場所へ行くようになりました。
迷子になるんじゃないか、体力切れで帰れなくなるんじゃないかという不安もいつしか消えて、今では一人でどこへでも出かけていきます。
それは全て経験を重ねた慣れによるもの。諦めずに続けて、自分の世界を広げることができたことが、今非常に幸せです。
それも皆、私を支えてくれた周りの人々のおかげです。
素晴らしい1台を組んでくれたYsロードの店員Mさん。
ロードバイクの先輩である妹。
そして私の愛車、リドレー“ヘリウム”。
支えてくれた人々のおかげで、こんなにも自転車に夢中な「チャリバカ」に成長することができた事に、この場を借りて深く感謝いたします。
ありがとう!そして、ありがとう!